電気自動車の普及
地球環境保護の点から、世界的にガソリン(軽油)を燃料とする自動車から電気自動車へのシフトが急速になってきました。
ガソリン車の製造や販売の期限が規定されてきました。
日本市場においても、電気自動車の新車販売台数のシェアは、2030年に55%を占めることが見込まれています。
ただし、日本では2019年の時点で、既にハイブリッド車のシェアが22%を占めていました。2030年の世界のハイブリッド車のシェアは7%と推計されていますが、一説によれば日本市場では23%維持することが見込まれてると言われています。しかし電気自動車の普及は想像以上に早いと思われます。
電気自動車用充電器
ここ数年、地球環境保護でカーボンニュートラルの政策として全世界的に電気自動車の導入とガソリン車の製造販売停止時期が明確になりました。北欧では既に電気自動車は50%近い普及率です。日本でも早晩急速に普及すると思われます。
300㎞走る場合の充電にかかる電気代は300~360円です。ガソリン代は300㎞で30L必要とすると4,500円程度かかります。(1Lで150円、10㎞/Lの燃費の場合)
電気自動車には、電池の充電装置が必要です。充電方式は、急速充電と普通充電の2種類あります。
急速充電は未だ充電方式の規格が決まっていない事と、大電力やトランスが必要なことから設置費用が高くつき一般向きではありません。
普通充電方式は、充電するのに5~6時間かかりますが、電圧からコンセントやケーブルまで充電の規格が法律で既に決まっています。
それは一般家庭で使用している(単相)電気で充電することになって、電流も12~16アンペア以下で充電するように規格化されています。
普通充電方式の設備はどのように行うか、以下にご説明します。
一般的に充電電流の増加分を追加するために、
①電力会社のアンペア契約を1~2ランク上げます。(基本料金がアップ)
②分電盤の中の頭についている遮断器を大きなものへ変更します。
③電柱からの引き込みケーブルを一回り太いものへ交換します。
④充電器用コンセントを設置して、分電盤からコンセントまでを工事します。
マンションでの工事の難しさは、上記②と③です。理由は、
・大きい遮断器に交換できるスペースと遮断器接続配線の余裕があるか
・外部電柱から分電盤への引き込み線を太い線に交換可能か(配線はコンクリートの中の曲りのある配管に埋設されているので、引き抜きが難しいのと太くなった新規ケーブルの設置が出来ないことが多い⇒外廻し)
特に引き込み線交換が一般的にかなり難易度の高い工事となります。
電気自動車用コンセントを設置後の従量電気料金のシミュレーションを載せます。仮に2台の電気自動車を毎日1回ずつ充電したとします。充電電流は12アンペアで6時間流れたとします。(充電特性は他の電池と異なり、最後まで12アンペア流れます。)すると、1カ月で延べ60台の車両を充電したことになります。
一般の電気契約では、計算結果は第三段階の1kWh=30円で1か月に147,000円の増加となります。(燃料調整費と再エネ賦課金は未算入です。)
基本料金の増加分は現状の形態で、0~600円です。
電気自動車への充電方法
電気自動車の充電方法は家庭の電気と同じ単相の電気です。
一般家庭にはほとんど200Vがつながれていて、その電圧を分けて100Vで使用しています。しかし、自動車の充電には200Vの電圧を分割しないで直接使用します。
コンセントの形状の一例です。(参考資料:PanasonicのEV用充電コンセント)
マンションにおける方法
マンションビルで電気自動車用充電コンセントを設置する場合、単相200Vで15アンペア程度流れます。
コンセントを1つ設置するごとに1つの専用回路(小型漏電ブレーカー)が必要となります。
この回路を追加する場合は、電気の配電盤(分電盤)の容量に余裕が必要となります。
余裕の考え方は次のようになります。
配電盤の上に設置されている大きな遮断器(主幹遮断器といいます)が125Aと表記されている場合で、コンセント設置前の現状使用最大電流が仮に50Aだとします。
この場合、主幹遮断器には75A(125-50=75)まで流すことが出来ますので、充電コンセント用の電流15Aの追加には余裕があることになります。
充電コンセントが5台分設置できることになります。
余裕がある場合には、既存の配電盤の大幅な改修は不要で、費用的には電気受動者充電コンセント回路用の小型漏電ブレーカーの追加とコンセント回路の設置費用のみで設置可能となります。
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